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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[581]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2015/05/17(日) 23:28:01 ID:???
鈴仙「やご……何ですって」
岬は鈴仙の心の琴線に触れ得る言葉を既に知っていた。
それにも関わらず、鈴仙は彼の口を封じもしなければ、自分の耳を塞ぐこともしなかった。
そのごく当然な隙を突かれて、鈴仙は岬の前で足を止め振り返ってしまった。
岬「(僕がわざわざ出向いて来るんだ。全く無為で無謀な行動をする訳が無い。
失敗しない為にもその程度の調査、やっておくに決まってるじゃないか)」
ここで一旦足を止めたならば、こっちのものだ。
蜘蛛の巣に引っかかった蝶へと向かう蜘蛛のように、岬は内心でほくそえんだ。
岬「――やっぱり気になるみたいだね。君のお師匠様。
月の賢者にして地上へ堕ちた裏切り者。永遠亭を実質的に統べる至高の薬剤師にして医師。
八意XX……僕たちの言葉だと、八意永琳のことが」
鈴仙「――良く調べたわね。ウチにスパイでも投げ込んだのかしら?」
岬「さてね。……ところで、君はこの幻想郷に降り立って以来ずっと、
この八意永琳の元で従者として働いているんだったよね?
ああいや、答えなくてもいいよ。答えはイエスと知っているから」
岬は鈴仙に思考させる時間を与えないよう、やや早口で話している。
そうする事で、鈴仙に思考する猶予を与えず――岬はこう、結論を先に言い放った。
岬「――僕は君の為に忠告するよ、鈴仙・優曇華院・イナバ。
……八意永琳は、間違い無く君を利用している。自分自身の計画の成就。ただそれだけの為にね」
鈴仙「――利用、ですって……! そんな事、ある訳ないじゃない!!」
岬の結論は、その真贋を問わずして、鈴仙の耳に重くのしかかった。
永琳の真意については、鈴仙もまた預かり知らぬ事だったのだ。
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0ch BBS 2007-01-24