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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[607]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/22(金) 00:53:38 ID:???

鈴仙「――とても信じられないわね。仮説を唱えるんだったら、理に適った根拠が欲しい所だけど」

岬「それはごもっとも。だけど、こう考える事でいくつか納得の行く説明が出来る謎があるんだ。
それを以て、この説の正当性を証明させて貰おうかな。そうだね、例えば……」

鈴仙「た、例えば……?」

岬は敢えてここで時間を置いた。様々な手段で会話の主導権を握って離さないよう気を払っているようだった。
そしてこうした駆け引きに不慣れな鈴仙は、岬のこうした一挙手一投足に大きくじらされる。
しかし、そんな中岬が口を開いた内容は、鈴仙にとって少し意外なものだった。

岬「例えば。そうだね……八雲紫が著しく衰弱している理由とか」

鈴仙「八雲紫……? どうしてここで、スキマ妖怪の話が出て来るの?」

鈴仙は藍から教えられた会話の全容を思い出す。
境界を操る八雲紫は今、ヒューガーの高度な技術によって境界を否定され、
その理性をも喪わんばかりに存在が脆弱になっている……。
藍の説明が正しいとすれば、先程の仮説とは何の関係も無い気がするが。

岬「……本当にヒューガーが、この世に存在する全ての境界を否定したと思うのかい?
確かにあの会社のテクノロジーは凄いけれど。でも、千年以上を生きる大妖怪をも殺せる程じゃあないさ。
ヒューガーの派手な動きの影で、境界殺しをやってみせた存在は別に居る。
八意永琳は、様々な可能性を散りばめて、世界と世界との境界を曖昧にしてみせたんだ」

鈴仙「……それって」

岬の説明は曖昧ながらも、これまで様々な出来事を体験して来た鈴仙には直観的に理解出来るような気がした。


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