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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[632]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/24(日) 01:30:05 ID:???
岬は鈴仙の質問に答えずに立ち上がり、スタジアムを去ろうとする。
鈴仙は何度も岬を呼び、佳歩との関係、何故岬がこの本を持っているのかを聞こうとするが、岬は全く聞く素振りも見せない。
追いかけようとしても、今度は人里の岬ファン――鈴仙の視点から見ると信じがたいが、
岬には神子程では無いが少なくない数の信望者がいる――の人波に阻まれてしまう。

鈴仙「はぁ、はぁ……!(これまでの私の悩みは、頑張りは、全て師匠に仕組まれたものだったの?
私はこれまで、師匠の道具になるために頑張ってたの……? 私は一体、何の為に戦うべきなの……?)」

岬はもう既に鈴仙の視界から消えていた。
鈴仙に残されたのは、岬達が語る永琳の、そして自分自身の真実と、佳歩の恋愛小説だけだった。
これまで漠然と考えつつも、深くは保留していた問い――何の為に、自分は戦うのか――が、今鈴仙に突きつけられている。
この時、鈴仙は完全に打ちひしがれるまでは行かずとも、精神的に消耗していた。

――そのため。
明らかな岬の罠であると見え見えな、ごく単純な思考の誘導にも鈴仙は簡単に引っかかってしまう。

鈴仙「(それにしても、岬はどうして、佳歩の持っている本を持ってたの……?
ムリヤリ奪ったとか? ……いや、流石の佳歩だって妖怪ウサギなんだし、岬君よりは強い筈。
たまたま同じ本を持ってたとか? ……それも無い。どうしてたまたま同じ本だって、アイツが分かるのよ。
だけど。だったら、どうして……?)」

考えてみればみるほど、佳歩は正常な環境下で岬と取引を結んでいたように思える。岬の話が嘘であるように見えない。
そしてそうなると、妖夢の一件も相まって、鈴仙の内心の疑心暗鬼は、いよいよその勢いを強める。


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0ch BBS 2007-01-24