【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか？】

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[76]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ ：2015/04/17(金) 00:43:33 ID:???

負傷した神奈子は去り際に、半ば盟友でもある諏訪子に向かってサムズアップをして、
静かな声で「早苗を頼む」と呟く。
一見風祝想いの神奈子らしい仕草にも見えるそれは、守矢みらくるずが……いや、
とある理由から何としても信仰を確保したい、八坂神奈子と洩矢諏訪子が最後に掛けた保険。
それを準備するための隠れたメッセージだった。
……すなわち。

諏訪子「（試合で負けた時の保険であり、私達が早苗に黙ってまで進めていた、
――私達の立場を守ったままに、早苗を『プロジェクト・カウンターハクレイ』に売り渡すための作戦。
やっぱり、やんないとダメみたいだね……このようだと）」

ピエール「（守矢の神々は狡猾だ。彼女達の計画はここまでも織り込み済み――とは、言いすぎかもしれないが。
それでも、充分にこうした局面は想定している！
試合を諦めてはいないだろうが、この程度で冷静さを失った……と、考えるのは早計だろうな）」

――彼女達は、こうした逆境にあっても尚、更なる策謀を渦巻かせていた。

早苗「（……悔しい。私は霊夢さんをも上回る選手になりたいのに、それ以前のハードルで躓いてしまうのが。
――でも、その霊夢さんだったら、こんな状況に陥る事も無いんだろうなぁ）」

そして、望まぬままに翻弄される一人の少女は未だにそんな策謀が見えていない。
周囲の為に高みを見続け、周囲に渦巻く闇を見落としてしまう状況は傍から見れば滑稽であるが。
……本人にとっては、これ以上の悲劇は無かった。

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