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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】


[108]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:11:59 ID:d18vpdcU
元女中「はい、あなたは昔からとても我儘でした。まだ仕事に慣れていなかった私は
幾度も幾度も困らされた物です。そしてその度に、貴方だけはこの家の方でも人間臭く感じた物でした」

若林「…人間臭さ、か…」

元女中「あなたが急にドイツに発って以来、私の胸にはぽっかり穴が開いた様でした。
この寒い寒いお屋敷の中で唯一の暖炉が消えてしまい…そしてたまにお会いする度に
あなたが段々旦那様達に似てきて、あの冷たい会話にも耐性が出来ていくのを見るのは
とても辛かったのですよ…そんな綺麗な笑顔をしないで、そんなに簡単に嫌味を聞き流さないで、と…」

若林「……………」

ある時は絶対的なガキ大将。ある時はサボリ癖のついた問題児。ある時は復讐に燃える青年。
ある時は諦めと義務感を漂わせる無表情。ある時は見事な作り笑顔と心の籠もらない美辞麗句。

若林が見せてきた顔はそんな物ばかりだったが、それ以外の顔と心を知る者も居た。
ありのままの彼を見知り、ありのままの彼を受け入れた女が今ここに居た。

若林「そこまでさせてしまったのなら、男として責任を取らねばな」

元女中「えっ?」

それを理解した若林は苦笑と共に一枚のカードを差し出した。

若林「ハンブルガーSVで稼いだ金が入っている。親父達がどれ位払っていたかは知らんが、
多分今まで貰った額より多いだろう。ああ、俺の事は心配するな。試合で勝つ度に数百万円貰える」

元女中「えっ?………えっ?」

突然差し出された大金と責任を取ると言う宣言に彼女は驚愕し、やがて少しずつ頬を染めて行った。


0ch BBS 2007-01-24