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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[118]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/07/05(日) 17:56:28 ID:???

実況「そしてこの反則を受けて、神子選手は怒り心頭で、岬選手に選手交代を通告しました!
聖徳ホウリューズは、如何に中枢選手であっても、非紳士的行為には厳しく罰する!
僅かの反則はあれども、自浄作用のある、秩序だった素晴らしい紳士的チームであると言えるでしょう!」

鈴仙「ど、どこが……。今のどこが紳士的チームたるべき行為なのよ!?」

パスカル「レイセン、怒るな。……今はまだ、観客や実況席の洗脳が解けていない状況。
ここで腹を立てようが、正論を言おうが、俺達の声は決して届かない」

永琳「私の柄じゃないけれど。ここは理屈や理論じゃない、まさしく感情に訴えかけるようなプレーで、
観客を味方に付けるしか無いと思うわね。 ……もっとも、今の反則で状況は大きく変わったようだけど」

鈴仙「……え?」

岬と神子との上っ面だけの会話を聞き流しつつも、理不尽さに怒りを募らせていた鈴仙は、
唐突に口を開いた永琳の言葉に思わず面食らう。
永琳の視線に合わせて、今しがた岬が走り去って行ったベンチ際を見るとそこには。


こころ「やっと会える。私達の希望に……」


僅かに桃色がかった、肩まで掛かる銀髪を靡かせて歌うように呟く背の高い少女。
仮面のように固まった表情を変えず、しかし周囲に浮かぶ幾つもの面を自分の意志で楽しげに回転させながら、
彼女は――神子によりかつて作られた面の霊気たる秦こころは、いつの間にか観客席からベンチへと降り立ち。
先の岬に入れ替わるような形で、今、フィールドへとゆっくり歩き出そうとしていた。


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0ch BBS 2007-01-24