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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[357]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/07/26(日) 01:25:41 ID:foqzWuj6
佳歩「……信じて」

鈴仙「――え?」

佳歩「私を……私達を……信じてください。だって、ほら。試合前にも言ったじゃないですか。
鈴仙さまは頑張りすぎですから。もっともっと、鈴仙さまは自分に自信を持ってください、って……」

鈴仙「……う、うん……。そうだった、かも。私も、もっともっと佳歩を信じられるように努力する、とか言っていたのに。
確かに、今の私……信じて無かったかもしれない」

どこまでも真っ直ぐにぶつかる佳歩に対して、鈴仙は弱弱しくしか答えられなかった。
しかし、佳歩の一言は鈴仙の内向きに閉じこもっていた心に希望を与えてくれた気がした。

てゐ「――鈴仙。アンタは勘違いしてるみたいだけどさ。
私も佳歩も、多分他の皆もさ。鈴仙が自分に利益を齎してくれるから、好きってワケじゃないと思うよ?
アンタにゃ、アンタの良さがあるんだから。アンタは無理に、お師匠様や中山さんみたくならなくっても良いんだよ。
……そうやって、辛い顔見せる位だったらね」

てゐは照れながら、吐き捨てるようにそう言ってくれた。
その言葉は嘘が大好きな普段の彼女らしからぬ真実味が詰まっているように想える。

鈴仙「……ありがとう」

鈴仙は恥ずかしくて、そっけなくそう言う事しか出来なかった。
しかし、佳歩の目的はこうして鈴仙を励ますだけでは無かったようだ。
これまでの表情を一新させ、話題を切り替えるように、佳歩は事務的にこう告げた。


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