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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[358]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/07/26(日) 01:27:04 ID:foqzWuj6

佳歩「――この状況を覆す為に……私に、策というか、考えがあるんです」

鈴仙「策……?」

てゐ「実は、私もさっき佳歩から提案されたんだ。面白い案だと思うよ?」

果たしてその内容はてゐが言ったとおり、その事務的な口調とは裏腹に、先程以上に大胆で信じがたいものだった。
佳歩の計画を一通り聞き終わるまで、鈴仙は黙っていた。

佳歩「……どうでしょうか。もし賛同して頂けるんでしたら、
【次にインビジブルデューパーを放つ時、鈴仙さまはそのシュートの軌道を枠外かポストに外して欲しい】
……んですけれど。でも、多分それは、鈴仙さまが私を信じてくれないと出来ない事だと思います」

鈴仙「…………!?(インビジブルデューパーを撃つとき、わざと狙いを外す、ですって……!?)」

しかし、いくら鈴仙でも最後の佳歩の提案に頷くのは憚られた。
必殺の『インビジブルデューパー』を外す事は、即ち失敗すれば試合に敗北する事をも意味する。
それはまさしく佳歩が言う通り、鈴仙が佳歩の策を――佳歩を最後まで信じ切らなくては出来ない作戦である。
いや、信じ切ったところで佳歩が語った案が成功する保証すら無いのだ。これを頷くのは理に敵わない。
少なくとも、中山や永琳のように賢明な者ならば否定するような。そんなタイプの策である。

鈴仙「(佳歩は……私を試しているのかな。私が本当に、佳歩達を信じられるのかどうか……って)」

鈴仙の知る佳歩は、直情的でいて意外と理知的で頭の回転が速い。
だから、今自分が言った策は理論的に下策である事を承知で言っている筈である。
しかし、佳歩は現に自分にそう策を提示した。
これが何を意味するのか、鈴仙は暫く考えていたが結論は出ない。

佳歩「……鈴仙さま。どうでしょうか、この策。
【次にインビジブルデューパーを放つ時、鈴仙さまはそのシュートの軌道を枠外かポストに外す】……という策。
受け入れて、くださいますでしょうか?」


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0ch BBS 2007-01-24