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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[428]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/07/28(火) 00:44:25 ID:FwGPTSVM
B:――このまま、『インビジブルデューパー』で撃ち抜くと見せかけて、蹴り先を枠外にする。(威力:??)250×3消費

鈴仙「(……正直、マトモに考えたら。ここで佳歩の言う通りに、蹴り先をわざと外すなんてのは。
貴重な『インビジブルデューパー』の機会を自分からドブに捨ててく狂行よね……)」

いざ佳歩の策を遂行する段になって、鈴仙の脳裏には再び迷いが生じた。
それも当然である。常識的に考えて、今から自分達がしようとする事は、
漸く芽生え始めた勝利への道を自ら刈り取ってしまう事に他ならないからだ。

鈴仙「(もしも佳歩がマジで裏切り者で、私とてゐが無為に消耗するのを狙っての行為だったら……?
――今の状況を作り出す事こそが、あの試合前の半端な下剤混入事件の真の狙いってのも、あり得るんじゃないかしら……?)」

鈴仙の心には再び疑心の雲が浮かぶ。如何に感情が否定しようとしても、理性がそれを晴らそうとはしない。

……ピタッ。 タッ、タッ……。

佳歩「れ、鈴仙……さま!?」

てゐ「(――ま。気持ちは分かるけどね)」

鈴仙の歩みは止まりかけていた。本当に、自分はこのまま佳歩の言う通りに動いて良いのか。
信じると決めた筈なのに、実際に行動に移せない自分が居た。

鈴仙「(な、なんてヘタレなんだろうか……私ってば。さっき、あんなにカッコ良く佳歩に頷いたのに……!)」

岸田「? CFの動きが鈍くなったぞ? まさかこのままあのMF(てゐ)に、ドリブルゴールでも目指させるのか?」

布都「いや、これはフェイントかもしれぬが……う〜む」

高杉「ウププ……もしかして、急に怖くなったんじゃないのか? 負けるのがさ」

大丸「そういう言い方は無いだろう……」


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