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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[534]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:44:35 ID:mVCLQ89E

実況「試合終了〜〜〜〜〜!! 3−2で永遠亭ルナティックスが聖徳ホウリューズを下しました!
試合開始から後半の半ばまで、聖徳ホウリューズ優勢な展開が続きましたが、
鈴仙選手が佳歩選手、てゐ選手と協力した新必殺シュートを編みだし同点に追いついてからは、
試合の趨勢は大きくルナティックスに偏り……そして今、辛うじてではありましたが、勝利を掴みました!」

鈴仙「(……苦しい戦いだったわ。試合前の盤外戦術、特殊な戦略に一芸特化選手。
それを潜り抜けたと思ったら、勝負運に見放された上に強力な新選手。
――何というか、ここで勝てたのが奇跡みたい。……というか、今も何だか釈然としないわ。
あれだけ勝ちに拘っていた筈の聖徳ホウリューズが、いざ負ける段になっても……あんなに、静かなんて)」

神子「………………負けたか」

布都「申し訳ございません、太子様! 我が不甲斐ないばかりに!
こうなったら、我は 投扇興 しますぞ!!」

こころ(喜)「はぁーあ。やっぱり太子はダメだなぁ。やっぱり私みたいなエースが傍に居ないと」

鈴仙「(……いや、静か……でもないか。だとすると、流石に考えすぎかなぁ……)」

――今回の勝利は、鈴仙にとってもっとも大きく得難いもの……である筈だった。
眼前に聳える幾つもの困難を乗り越え、仲間と結束を固め合った末の勝利。
それは本来どうしようも無く劇的で、達成感を覚えざるを得ない。
にも関わらず、今の鈴仙はどうしても心から、この勝利を喜べない。
目の前の困難はあくまで目くらましで、どこか地中深くに真の試練が待ちわびているような。
そんな感触を拭いきれないでいた。


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0ch BBS 2007-01-24