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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[540]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 01:06:31 ID:???
そんな時中山は、一つの仮説を立てた。
果たして彼の宣言通り、慌てふためく聖徳ホウリューズメンバーの中で、
豊聡耳神子だけは帯刀した七星剣の鞘を抜いて、強力な一つ目の妖怪を一閃で斬り伏せていた。

神子「――さあ、人間達よ! ここは我らに任せて逃げるんだ!」

鈴仙「……確かに、途端に生き生きしてるわね、アイツ」

中山「先ほど永琳さんが恐れた、力への恐怖が自分に向く事への不安。
彼女――豊聡耳神子には、そうした不安が一切無いのだろう。
だから、今の機会をむしろ自身の人里での株を上げるチャンスとまで思っている。
いや、俺が言いたいのはそうじゃない。
……彼女は、恐らく仲間にも秘密で、今回の騒ぎを別に仕込んでいたのではないか?
そして、博麗の巫女や八雲紫をも出し抜き、自身が秩序の一角を担うべき存在であると。
洗脳でも無く直接に、人心に刷り込ませようとしているのではないか?」

鈴仙「そ、そんな事……あり得るの? 今現に、彼女の腹心の部下だってケガしてるのに……?」

中山「――彼女なら、やりかねないさ……。
真の目的の為ならば、親友や恋人すら道具として切り捨てかねない彼女なら」

鈴仙「…………」

中山が推測する、神子の恐るべき意図に鈴仙は黙り込む。
そして中山は……そんな鈴仙の気持ちを汲んでか、あるいは始めからこう提案しようと思っていたからか。
彼女の肩を優しくつかみ、こう切り出した。

中山「――永琳さん一人、鈴仙さん一人、あるいは俺一人では、
豊聡耳神子の思惑――試合結果を度外視して、自身の主張をアピールする――がまかり通ってしまうだろう。
そして、八雲紫だとか博麗の巫女だとか、こうした秩序は今現れない。現れるまでの間に、犠牲者が増える可能性がある。

……だから。俺達は――互いに結束して、この『異変』を解決しなくてはいけない。……違うか?」


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0ch BBS 2007-01-24