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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[561]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/07(金) 01:53:10 ID:???
その静かな様子は、まさしく賢者と称するに相応しいと言えた。少なくとも、傍で聞いている鈴仙の実感としては、
前々から聞いていた彼女の力が減退しているという話は、全くの嘘であるようにも見える。

紫「……貴方がたは、只今結集して、凶悪な妖怪の群れを退治しました。
一部は例外としても。多くの力なき人間や妖怪が結束し、自分達よりも強い妖怪に立ち向かい、そして勝利しました」

彼女は更に続ける。
観衆はその妖しさに、何時しか神子が制するまでも無く静まっていた。

紫「これは、今までの幻想郷では考えられなかった事です。
強い力を持った一人の巫女……あるいはそれに準じた力を持った人間や妖怪達。
いわば『特別な』力を持った者のみに許されていた、異変の解決。
――それが今や、こうして萃められた、名もなき人々でも可能である事が明らかになってしまった。
人間や弱い妖怪達は、こうして、『希望』を持ってしまった。
……その希望が、いずれ自らの破滅を齎す事とも知らずに」

鈴仙「……(――希望を持って……「しまった」。嫌な言い方ね)」

中山「……!(もしや彼女の真意とは……、そういう事だったのか!)」

そして紫の発言が本旨に近づくにつれ、鈴仙の嫌な予感は増していき、紫の意図を読み取った中山は冷や汗を垂らす。
そんな二人の様子を汲み取ったかのように、彼女は饒舌に語り出し。

紫「――幻想郷は、非常に脆いバランスの元に成り立っています。
全てを受け入れるとは言っても、危険な要素は排除しなくてはなりません。
それは『異変』解決と同じように権威的で。しかし、排除については徹底的に。

――そして、多くの人妖が見守る中で、彼女はとうとう『彼』へと、宣戦を布告した。

紫「……ですから。今の一件を根拠に、私は異変解決を依頼するわ。
幻想郷の弱き人妖に『希望』という病毒を与え、その理を破綻させんとする一人の人間。
――すなわち、中山政男の退治を……ね」


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0ch BBS 2007-01-24