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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[648]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:34:55 ID:???

魔理沙「……くそっ」

数多くのシューターによる乱れ撃ち。一流のゴールキーパーをも崩し得る主砲。
そして、絶対的なトップ下による完璧なゴール。
全ての者が理想的だと頷ける筈のゴールを前に、しかし博麗連合のストライカーは納得していなかった。

魔理沙「……(また、決まらなかった……。小町にもアシストして貰ったのに、また……!
しかも、そのミスをまた霊夢に尻拭いして貰って……。私、主人公のクセにカッコ悪すぎだろ)」

魔理沙はこの時、『ブレイジングスター』が必ずや紅魔のゴールを撃ち抜くと確信していた。
――いや、確信するよう努力していた。
自分は『ファイナルスパーク』が無くとも、博麗連合のCFであり幻想郷きってのFWであると。
つまり、今の自分は「まだ」、長年来の親友とも並び立てる存在であると。そう信じていたかった。

魔理沙「(確かにレミリアの奴も目が高い。あの陸ってのは間違いなく一流クラスのゴールキーパーだよ。
だけど、森崎や萃香に敵う程の一流じゃない。あの程度、私は一人でぶっ倒せないとダメなんだよ……!
今みたいに霊夢に助けて貰っちゃ、ダメなんだよ……! やっぱり、『ファイナルスパーク』が無いとダメなのか……?)」

これまでの試合でも、自分は『幻想郷きってのFW』に相応しい活躍をしていない自覚があった。
同格のライバルだった筈のレミリアには大きく水を開けられ、
ゴール数ではレミリアの妹や案外大したことない射命丸にも負けて。
単純なシュートの威力では、レミリアは勿論、勇儀や幽香などの古豪に敵わなくなってきていて。
しかも最近では、自分とは正反対なヘタレFWの鈴仙が、かつての自分の位置に就こうとしている。
方や自分は、苦労して新必殺シュートを編み出しても、それは自身の寿命を引き換えにして放つ代物だった。
……そんな背景があったからこそ、今の何でもないシュート失敗を、魔理沙はひどく気にしていた。


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0ch BBS 2007-01-24