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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[686]>>678修正版@鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/18(火) 00:36:16 ID:???

アリスの戦術眼。そして博麗連合の統率の取れた動きは、確かに優れていた。
オフサイドトラップの成功率は原則五分五分ではあるが、
今回に限ってはスカーレットムーンズの分が悪い事を、パチュリーは認識していた。
昔のような、理論家で頭でっかちな彼女であれば、ここは素直にアリスの勝ちを認め退くべきシーンだった。
……しかし。

パチュリー「(本にある理論では、ここは攻めるべき局面では無い。
だけど……ここ最近の慌ただしい日々のせいで。私は、何というか……往生際の悪さというか、馬鹿になったみたい。
だって、こうしている今だって、敗北の可能性を考慮せず、勝利の可能性を積み上げる事にしか目が無いのだから)」

厄介な友人の影響か。成長しつつある友人の妹の影響か。
はたまた、自分の事をマスターと頼ってくれる、馬の骨も知らぬお人良しのためか。
パチュリーは、博麗連合の見事なオフサイドトラップを見てもなお、
自分が小悪魔に与えた指示は正しく、それにより、自分達の攻撃は成功すると信じていた。信じる事にした。
だから彼女は、小悪魔がボールを蹴り抜くよりも、審判の笛を確認するよりも先に。
チームメイトに対して、こう指示を出す事にした。


パチュリー「――皆、上がりなさい。 ……『ファストブレイク』よ!」


―――パチュリーの号令は、紅魔スカーレットムーンズによる、前半最後の猛攻撃の開幕を告げる狼煙となった。


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0ch BBS 2007-01-24