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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[718]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/20(木) 00:21:51 ID:???
パチュリー「……はぁ、はぁ……!(駄目。前半に飛ばして少しでもリードを奪っておく心算が、
蓋を開けてみればこちらは満身創痍で、相手は2点リードだなんて。
こんなの、流石に想定の……範囲内ではあったけど。それでも、やっぱり現実に来ると、きついわね……)」

元々体力の無いパチュリーは自身の酷使が答えて、肩で息をしながら打ちひしがれている。

レミリア「……(――なんてこと。この私が。レミリア・スカーレットが……敵に恐怖している?
敵の攻撃を凌ぎ、中盤を搦め手で突破し、最終ラインに何度も攻撃を重ね……。
それでもなお、敵には奥の手が隠されていたから?
――たったそれだけの理由で、私が怯えてるとしたら……とんだ屈辱ね)」

誇り高く負けず嫌いのレミリアは、もしかしたら人生で初めての敗北感に唇をかみしめている。
その恐怖と屈辱感は、まるで自分が石になって動けなくなる程に強かった。

フラン「……ウフフ。ウフフフフ……(今までがんばったのに。結局こんな結果?
何よ。そんな事聞いていないんだから。だから、きっとこれは夢。
夢だったら……何をしても良いのよね、ウフフ……)」

フランドールの脳内に、再び狂気の衝動が溢れつつあった。
レミリアとの必死の特訓で克服した筈の正気の鎧は、全てを破壊するシュートの前では無力だった。

咲夜「……」

美鈴「……何も、言えませんね」

小悪魔「……パチュリー様。私にはやっぱり……荷が重すぎましたよ……?」

咲夜と美鈴、そして小悪魔。従者達は、自らの無力に対し、完璧に言葉を失っていた。
彼女達に横たわるのは、ズタズタに破壊された誇りと希望。そして勝利への道程のみだった。


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0ch BBS 2007-01-24