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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】


[730]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/21(金) 00:54:12 ID:???
パチュリー「(……だけど、その両者も気軽に試す事はできない。何故なら、博麗連合の守備陣が強力だから。
シュートで削ろうとしたら、伊吹萃香に『カウンターシュート』を放たれて。
ドリブルで一対一を狙おうとしたら、比那名居天子や中里正人のような、タックルの名手に刈られてしまう。
――そして私達は、勝つためには一厘のミスも許されない。 ……こうして考えてみると、絶望的ね)」

……と。ここでパチュリーは大きく溜息を吐いた。
思考を深めれば深める程、自分が泥沼に嵌ってしまう事が分かってしまったからだ。
スカーレットムーンズが勝利するには、後半戦終了までに少なくとも2点を奪わなくてはならない。
しかし、その目標を達成するには現実的な障害が多すぎる。
考えれば考えるほど自身にとって不利な情報が浮かんで来る現状に至り、流石の賢者も辟易していた。

パチュリー「(……ダメだわ。こりゃ。前半戦ラストのように、総力を挙げて点を取りに行けば、
1点を奪える程度の算段ならあるけれど。でも、ウチじゃあそれが精いっぱい。
どう考えても、最低2点。最終的には3点を奪える戦法なんて、思いつかない。
如何に私が賢者と言えども、この現実を。敗北の運命を操り曲げる力なんて持っていないんだから――)」

レミリア「――そうだ! これだ!! この作戦でいきましょ、パチェ、フラン! これなら完璧よ!!

パチュリー「……」

――そこまで言いかけて、パチュリーの意識に冷や水をぶっかける大声が聞こえた。
その迷惑な声を上げたのは、さっきまで自分が心配していた筈の友人だった。

パチュリー「……あんた。さっきシュートを決められて落ち込んでたんじゃ無かったのかしら」

レミリア「ふざけるな。私がそんな子どもみたいに落ち込む訳無いでしょ。くよくよタイムなんて5秒で充分だ。
あれから今まで、どうやって逆転しようかっていう、奇跡の作戦を考えていたのよ」

咲夜「成程……! ――つまり、5秒間は落ち込まれてらっしゃったのですね」

レミリア「……咲夜。あんた最近私に厳しくない?――まぁ、別に良いや。
兎に角、見つかったのよ。にっくきモリサキから、2点程掠め取る方法がさ!」


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0ch BBS 2007-01-24