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【新章】きれぼしサッカー3【突入!?】


[104]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/10/11(日) 18:34:28 ID:PO3CBzys
あずみ「お願い、ちょっとでいいから」
岬「あのねえ……」
あずみ「お願い、お願い、お願ーい!」

ニコニコとして懇願する女の子を見て、クラリとしかける岬。
こんなふうに異性の相手から頼み事をされて心が動かない男など、男ではないであろう。
だが岬には大望がある。
いずれは自分の知略と技能を存分に用いてサッカー界を一手に握ろうと夢見ている青年である。
それが自分と同い年の小娘に良いようにされたままに終わるなど、到底許されざることであった。

仕返しをしなければならない。

岬「よし、弾いてみる。その代わり、あずみちゃんには歌ってもらうよ」
あずみ「えっ!?」

突然の提案に鳩が豆鉄砲を食らったような顔になり、次いで真顔で否定した。
あずみ「だ、だめよ!あたしそんなに歌は上手くないし、だいたい歌のレパートリーなんて全くないもの。
    学校の歌を除けば古いフランスの歌だし、岬くんも知らないわ」

これでようやく互角になった、と岬は思った。
あずみの歌のレパートリーが乏しいのは事実であった。
休み時間や放課後に彼女が他の女友達と、日本での流行歌などをうたっている時、
彼女だけは音程がずれ、テンポが遅くなっている事をからかわれているのをよく見ていた。

だがそれは単に彼女がそうした歌に興味が薄く、あまり歌う機会が無いからだと岬は考えている。
音楽の授業では彼女の謙遜とは反対に、良く澄んで豊かな声をして歌っている彼女を見ている。
である以上、知っている歌ならばどうにかなると岬は見ていた。


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