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【新章】きれぼしサッカー3【突入!?】


[216]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2015/11/01(日) 16:47:14 ID:G5RCPhNc
そこまで言って陽子はおもむろに瞼を閉じた。表情は先程と変わらず何を考えているかは分からない。

陽子「ただそう思って進んだはずの自分の道が、サッカー協会で働き続けているうちに分からなくなってきてしまった。
父からの妨害の事もありますが、それよりも『自分の道』って何か、考えているようで考えていなかった。
私達の尽力で日本のサッカーを発展させ、いずれは世界に冠たるものにさせる。
そうなると結局のところサッカーで新たな片桐グループを作り上げるだけなんじゃないか?
そんな疑問が生まれてから、再び私は意志を失いかけていったの」

森崎「日本のサッカーが、ねえ……確かに、デカくなれば詰まらねえ事や下らねえ事も
起きてくるんだろうなあ」

陽子「そうよ。そしてそのために本来サッカーから生まれる筈だった爽快感や感動を
   奪ってしまうといった本末転倒な事さえ起こり得る。
   そんな事に手を貸していいのかとさえ思った事もあった」

ここまで告げた後、陽子の声に張りが出はじめる。先程までの陽子の声が祝詞を告げる巫女の声で
あるならば、今の陽子はその神の神降ろしを終えた後の巫女の声であるような、厳かな声であった。

陽子「それもあなたと出会ってから、いえ、正確には
私に対するあなたの真意を知った後からのやり取りで、私の道が見えた気がするようになったわ。
結局のところ、目指す結果よりもそれを目指して進む過程の方が、より素晴らしいって思えるようになった。
困難をどう乗り越えていくか、困難に自分はどういう存在であっていくか。
そうした選択で磨かれていく魂が、鍛え上げられていく意志が、一番尊くて素晴らしいと思えるようになった」

ここまで告げた後、瞼を見開き森崎に向けて、告げた。


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