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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】


[511]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:16:17 ID:???
魔理沙は右脚を大きく振り上げた。
痛みに加え、先程のボールキープにより疲労が蓄積し、その額には玉のような汗が幾つも浮かんでいた。
白黒でリボンのついた、可愛らしい山高帽子からは汗と泥がしたたり落ちる。
彼女の肉体は既にボロボロだった。しかしそれにも関わらず、彼女の表情は変わらず晴れていた。

霊夢「もう充分並び立ってるってば。結果も多くの観客も幻想郷のサッカー評論家も、
全てがあんたが私に並ぶFWである事を証明してる! これ以上、何を望むって言うの!?
『ファイナルスパーク』なんて無くたって、あんたはレミリアや最近の鈴仙にも並ぶ屈指のFWだし、
これから先努力をしていけば、反動の無い『ファイナルスパーク』が開発できちゃうかもしれないじゃない!
どうしてこの試合で必死に終わろうとするの! ねぇ、どうしてよ……!」

魔理沙「……そうだな。確かに、そういう手もあったかもしれないな」

魔理沙の表情とは対照的に、霊夢は半分泣き崩れていた。
彼女は今まで、こうした表情を誰にも――実質的な親代わりだった紫にさえも――見せた事はなかった。

――博麗の巫女は中立。博麗の巫女は泣かない。博麗の巫女は怒らない。
      その代わりただ単純に、そして無慈悲に異変を解決し、幻想郷を守らなくてはならない――

幼少時よりそう教え込まれ、果たしてその通りに成長した筈の彼女は、
一体どこからこうも感情的に変わってしまったのだろうか。それは誰にも分からない。
とにかく重要なのは、霊夢は今、魔理沙の事を誰よりも強く思っているという事実だった。

魔理沙「――認める。今日の試合こそが私の最期であると決めた事は、確かに私の甘えだ。
私はこの機会を逃せば、もう二度と霊夢達に追いつけなくなる。
――そう思って焦っていたのは事実だし、逆に言うと、そう決めつけて、何もしようとしなかった。
森崎と会ってからは、自分のそうした弱さや甘えがより一段とハッキリ分かったつもりだったけど。
それでもまだ、私はアイツ程強くは無かった」

激痛に耐えながらも、今尚自分の将来が栄光に満ちていると信じて疑わぬ、
不屈の男の姿を見やりながら、魔理沙はそう告白する。


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0ch BBS 2007-01-24