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【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】


[581]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:23:18 ID:???
ラズリーと名乗ったその少女を、藍は地面を這いながら睨みつけた。
炎のように燃えて肩まで掛かる、赤いセミロングの髪。
背丈は長身の藍より少し低い位で、概ね十代半ばか後半程度に見えるその少女は、
その瞳だけは深い深淵を湛える。人間では無い――いや、妖怪ですら無い「何か」だと藍は確信した。
純粋な容姿としては普通に可愛らしい、という印象までにしか過ぎないが、
彼女が纏う神秘的な雰囲気が、そうした陳腐な感想を否定していた。

藍「……ラズリ(Lazuli)の割には、私ほど藍(あお)くはないな」

外界でよく見かけるようなシャツを着こんだ少女を睨んだまま、藍は思わずそんな感想を呟く。
あまりに間抜けた感想だったが、満身創痍の上に攻撃を食らった彼女に、精神的な余裕は残されていなかった。

ラズリー「大丈夫よ。じきに青くなるわ。……もう、日が明けないうちには、ね」

ラズリーは髪を掻き揚げてそう薄く微笑むと、確かにその髪は赤から青に移り変わったような気がして。
……それが、藍が見た最後の光景となった。

藍「…………」

ラズリー「……さ、眠らせたわよん。――この子の式……だっけ? の、仔猫ちゃんはどうしたら良いかしらねぇ」

紫「放っておきなさい。野にかえれば、やがてその魔性を取り戻す筈よ」

ラズリー「あっそ。……それじゃ、明日から宜しくお願いするわねん、じゅ……じゃない、紫サマ」

こうして、幻想郷最後の夜は過ぎて行く。
金色に輝く少女と、それに付き従う不思議な少女は……再び、どこか深い闇の底へと消えて行った。


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