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【せまる】ライ滝第三十六話【ヒューガー】


[201]ラインライダー滝 ◆70dlk5OpP6 :2016/02/11(木) 23:06:57 ID:???

 パワーとテクニックを併せ持った選手。
 口にするのは簡単だが実現させるのは生半可な事ではない。
 現に岬はカメルーンでフィジカルを鍛える為にテクニックをある程度犠牲にしてしまっているのだ。
 しかしこの問いにも、レヴィンは何の問題もないとばかりに微笑みながら回答を始める。

レヴィン「その点も安心してほしい。FCケルンでは僕の祖国スウェーデンのスポーツ科学班が協力をしているんだ。
     彼らの理論を用いてメニュー通りの練習をすれば筋肉を鍛えながらテクニックを磨き上げる事も十分可能だよ。
     勿論僕もその理論の元に練習を行っている」

岬(成程。美味しい話をしているが、その実レヴィンや僕を実験台にしてそのスポーツ科学の有用性を証明しようとしているのか。
   だが……もし成功すれば僕の能力は飛躍的に向上するだろう。それに欧州の方がコネクションは築きやすい、悪くない話だ)

 レヴィンの言葉から裏の目的を推察しつつ、岬はこの話が自分にとってもメリットのあるものであると即座に判断。
 乗るか否かを岬パパに目くばせする。
 それに対し、岬パパはアイコンタクトでこう応えた。

岬パパ(この話に乗らない手はないな。ドイツにに行くぞ。実はここでもそろそろ尻尾を掴まれそうなんだ)

岬「(またか……もういつ足を引っ張られてもおかしくないな。ドイツに着き次第作戦を決行しよう)
  ――分かった。君の申し出に乗ることにするよ」

レヴィン「そうか! ありがとう、君のようなプレイヤーと一緒に戦えるとは光栄だよ。
     それじゃあ君のクラブチームの方に話を通したい。連れて行ってくれるかい?」

岬「ああ。付いてきてくれ――美子、君もね。また事故に遭うとも限らない」

美子「は、はい!(キャアー! 岬様が私の心配をしてくださってる! やっぱり岬様と私は運命の糸で結ばれているのね!)」


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