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【せまる】ライ滝第三十六話【ヒューガー】


[717]ラインライダー滝 ◆70dlk5OpP6 :2017/03/19(日) 23:11:54 ID:???

???「ケケッ! 来てやったぜ」

山森「佐野……本当に来てくれたんだな」

佐野「ま、明日の開会式まで暇だったしな。静岡から東京なんて新幹線なら片手間だ。気にしなくて良いぜ」

 現れたのは佐野であった。
 全日本において数少ない山森と同期の選手であり、南葛外では一番の友人である。

山森「助かるよ。練習を禁止されてる手前骨皮達は頼れなかったからさ」

佐野「ケケッ、そんな指示が出てるのに無視するとは優等生の山森君も随分と娑婆に染まったな」

山森「茶化すなよ。今の俺の実力は知ってるだろ」

佐野「まあな。今もちょっと見学させて貰ったけど酷いもんだったぜ」

山森「ハハ……」

 忌憚のない言葉を投げかける佐野に思わず苦笑する山森。
 本人としては笑い事ではないのだが、相手が相手という事もありむしろ気が楽になった様子であった。

佐野「で、どうするんだ? 練習には付き合うが一日や二日でどうにかなる実力にゃ見えなかったぜ」

山森「ああ、分かってる。それでもやらないわけには行かない。悪いけど俺の自己満足に付き合ってもらうぞ」

佐野「ケケッ」

 山森の言葉に今度は佐野が苦笑を浮かべると、二人は黙々と練習に取り掛かり始めた。


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