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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】


[141]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/28(日) 23:15:48 ID:ASx8Dvhc
鈴仙「ど、どうしてですか」

荒くれ「それが、ここスラム街の掟だからさ。俺達はここに来た奴らの過去について、
     素性を探らない。その代わり、こっちも色々と他人から詮索されない」

鈴仙「そ、そんな。……お酒、コッソリサービスしちゃいますから。ね?」

可愛らしく手をもじもじさせて、鈴仙なりに頑張って男に媚びを売ってみたが、
それでもその荒くれの男は動じない。

荒くれ「……ここらに居る奴らはな。皆後ろめたい過去を持っているんだ。
     それを聞きだして咎める事は、この街じゃあスリや喧嘩、強盗以上の大罪。
     誰もが皆、お嬢ちゃんみたくキレイな訳じゃないのさ」

鈴仙「…………」

――そして、彼はそれ以上この問いかけに対して答える事は無かった。
また、他の客たちに聞いても回答は同じだった。「教えるのは流儀に反する」……と。

コーチ「おい、お嬢ちゃん! 支給紙と袋を持って来てくれ! ぶっ倒れちまった!」

鈴仙「あらら……。――はいはい、どのお客さんですか!?」

コーチ「おお、この客じゃぞ。ワシは打撲の跡が無いか探すから、お前さんは奥から生食でも取って来てくれい」

鈴仙「はいはい、生食ですね。まさか点滴は要らないですよね?」

コーチ「設備が無いしの。じゃがまぁ、アレストになった場合に備えて、ボスミンも用意するんじゃぞ……グヒヒ。
     こんなトコに救急車がすぐに来るとは思えんからな、念の為じゃ」

鈴仙「はーい(はぁーあ。永遠亭を思い出すなぁ……アレ?)」


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0ch BBS 2007-01-24