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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[180]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/03(木) 01:04:37 ID:???
コーチ「……おーい、鈴仙。そろそろ晩御飯を作ってくれい。この男を摘みだしての」
鈴仙「…………ごめんなさい。私は、真実を知りたいんです……」
鈴仙は悲痛な声を上げる老人の頼みを黙殺した。
エベルトン「……そして、それを良く思わない者も多く居た。開発独裁、軍事拡張政策をとる現政権だった。
彼らは、平等論者、軍縮論者のクソ医師を潰す為に、あらゆる手段を執った。
――例えば、病院でのどうしようも無い死亡事例を『医療事故』と仕立て上げ、
警察権力にそれを取り締まらせる方法とかな」
コーチ「………ゴホッ、ゴホッ!」
そして、とうとうコーチは立ち上がった。咳をしながら彼は立ち上がる。
エベルトンは軽蔑した目線で老人を見る。彼は先程自分をこの老人と同年代と言ったが、
やや不摂生ではあるが健康的な中年であるエベルトンと、生きる気力を失った抜け殻のような老人であるコーチが
並んで立つと、鈴仙はそれを到底信じられなかった。
コーチ「……急患での前置胎盤と癒着胎盤の混合ケース。起きる確率と助かる確率は、コンマ1%以下。
私は手を尽くした。……だが、母子ともに……救えなかった。それは事実だ……」
そして更に信じられない事に、コーチの瞳に理性の光が灯った。
彼はゼイゼイとした声で。しかし、普段のような呆けた印象は全く無い整然とした風にこう言った。
鈴仙が驚き目を見開いていると、彼の口からは更に驚くべき言葉が飛び出した。
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0ch BBS 2007-01-24