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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】


[206]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:15:57 ID:???
エベルトンはこの時、コリンチャンスの名将が鈴仙に施した訓練の的確さに関心していた。
自分は指示を出しこそしたが、その実、鈴仙は勝手に伸びていると称した方が正しい。
打てば響くように、彼女の身体はエベルトンの指示に応じて理想的に進化していたからだ。
しかし、コーチの意見は違った。

コーチ「……いや。まだまだじゃよ。あの娘は――まだ、私の想定の五割……。
     いや、三割程度の力しか、解放し切れていない。今日の調整は、むしろ失敗した方だ」

虚ろながらも、目の奥にはしっかりと理性の炎を灯した状態で、コーチはそう断言した。
それがボケ老人の酔狂では無い事は、エベルトンは直観的に察知していた。

エベルトン「マジかよ……」

気合の入った練習の副作用か、ぶっ倒れて休んでいる鈴仙を見てエベルトンは溜息を吐いた。
そして同時に、永年希望を失い堕落していた老人を立ち直らせた少女に対し、彼はある種の畏敬の念を抱いていた。

エベルトン「(……このガキは、まだまだ身の程知らずで臆病で未熟だ。
        だが、確かにコイツには、人を動かす何かを持っている。
        そう。それはまるで……かつて俺を含めたパルメイラスの連中を変えた、モリサキのような……)」

傲慢な彼は、当然その念を表に出しはしない。鈴仙に対しても、相変わらずの見下した態度を取るだろう。

コーチ「……彼女は凄いよ、エベルトン」

しかし、旧友は目聡く彼の真意を察していた。

コーチ「これまでの彼女との生活で、私は確かに少しずつ、希望の種を貰っていた気がする。
     それが今日、花開いた。……だから、私も再び過去を直視し、未来へと目を向けられるようになった。
     ……彼女は、本当に、私の夢を叶えてくれるかもしれないな」


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0ch BBS 2007-01-24