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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[111]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/14(木) 00:51:50 ID:f/ZmiHSA
★アリスさんのトモダチ候補→ ダイヤ10 ★
ダイヤ→ピエール「……アリスさんだね。君のプレーは気になっていたんだ」

アリス「あんたは……学級委員の」

ピエール「その肩書で呼ばれるのは珍しいがね。
      ――指導教官が、いつまで経っても君が来ないと嘆いていたと思ったら。
      まさか、そんな場所で自主練をしているとはね。何かこだわりが?」

アリス「え。……ええっと。ええ。そうよ。魔女の秘術は一子相伝。決して誰にも知られてはいけないからね」

ピエール「成程、君は祖国では魔法使いとして名を馳せているんだったか。
      そう言えば、そんな話をどこかで聞いた事がある。
      人里に現れて人形劇を披露しては、不審者に間違えられて自警団に咎められる魔女が居る。
      そんな世知辛い世の中を風刺した話で、君の名前を聞いた気がするな」

アリス「なんでそんな話が遥々フランスにまで伝わってるのよぉ……」

そんな話題を口切りに始まったアリスさんとピエールの会話は、大方の予想に反して長続きした。
貴族の社交界で鍛えられたのか、ピエールの話題は豊富かつ適切で、アリスさんを決して退屈させない。
かと言って、自分が話し過ぎる事も無く、適切なタイミングでアリスさんにも心地良く話させてくれる。
温和で聖人君子な性格も相まって、アリスはいつしか、この少年に特別な感情を抱いていた。

ピエール「……知らなかったというだけなら、次からは練習コースを指導教官に相談してみると良い。
      それじゃ、俺はこれで。少し長居しすぎたが、君の繊細でテクニカルなプレーは気になっているんだ。
      次は是非一度、手合わせをお願いしたい」

アリス「あ……ピエール君……(彼……自分の寮に帰ってしまうわ。言うなら、今しかないわ……!)」

ピエール「……どうしたんだい?」


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