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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[222]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/04/26(火) 00:35:21 ID:givKRj2E
B:穣子の様子を見に行く。
反町「申し訳ないけど。俺、やっぱり穣子さんの様子が気になるから……」
早苗「そうですか……」
反町がそう言うと、早苗は一瞬だけ目を伏せて悲しそうに俯くも――。
早苗「――って、あー。いえいえ! 別に良いんです! 私も突然誘っちゃってごめんなさい!
反町君も、迷惑でしたよね?」
すぐに表情をいつもの爽やかな笑顔に戻して全力でかぶりを振ってみせる。
そんな目に見える必死さが痛々しくもあったが、しかしだからと言って、反町には強い意思があった。
反町「……本当に申し訳ない。だけど……何と言うか。俺、穣子さんの事を放っておけないっていうか。
ハハ……自分でも神様を相手に、なんと烏滸がましい事を言ってるのか、とは思うけれど」
それは反町の本音だった。穣子は秋の実りを司る神様だと知ってはいながら、
一方で明るくて純朴で、子犬のように素直な彼女を、どうしても一人にしたくはなかった。
早苗が如何に魅力的な少女であろうが、穣子を一人に出来る正当な理由があろうが、
反町にとって、そこだけは揺るがなかった。
早苗「いえ。……私だって、分かりますよ。穣子さんって、神様にしてはフランク……っていうか。
むしろあまりに清貧すぎて、逆に守ってあげたくなるというか……。
はっ! もしやこれは新たな信仰のブーム!? これは一考の余地がありそうですね!
反町君! そんな訳で私は、新たな信仰を得る為の旅に出るのでご心配なく!」
早苗はもう、全く悲しそうでは無かった。むしろ新たな研究題材を見つけた学者のように、
目をキラキラと光らせて、思考をもう一歩先の方向へと向けていた。
そして、どんな訳かは分からなかったが、早苗はどこかへと走り去っていった。
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0ch BBS 2007-01-24