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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[223]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/26(火) 00:36:51 ID:givKRj2E
反町「……俺も、穣子さんの所に急がなくちゃ」

そんな彼女の背中を見つめながら、反町も早苗とは反対方向に向かう事にした。


***


穣子「あれ? 一樹君、どうしたの?」

……穣子は本当に芋を掘っていた。
校舎外れの植物庭園の一角で、ずっと前から穣子は芋を育てていたらしい。
当然これは事前に学校側の許可を得ているため、校則違反では無いが、
折角のお祭りの日に泥まみれのまま、いつもと同じように芋をいじらなくても良いのにと反町は思った。

反町「……ちょっと、手伝おうと思って」

穣子「うええっ!? そ、そんなぁ! 別にいいよ!
    私、こうして畑とかいじるの大好きだから、全然辛くないし!」

穣子は着飾らない本音からそう言っているようだった。しかし、それでは反町が困る。

反町「だけど……一人でやったら時間がかかるじゃないですか。
    二人でやれば、半分の時間で終わる。そして、残った時間で、その……」

穣子「焼き芋するの?」

反町「違いますって。一緒に、文化祭を見て回りたいな……って。そう、思って」

反町は言いたい事を言った。できれば、この少女の芋を掘ったり焼いたりするだけでなく、
色んな一面を見たい。そう願ったからこそ、そう言い切る事ができた。
そして最初はとぼけて返した穣子も、そんな彼の強い胸の内を察して――。


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0ch BBS 2007-01-24