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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[328]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/05/04(水) 01:48:47 ID:???
とだけ言い残すと、反町達に合流する事なくこの場を離れていく。
追いかけるかどうか迷う反町だったが、間髪を入れずして講堂の演台に学長が立ち、
演説が始まった事により、思考は中断された。
学長「えー、みなさん。突然お呼びして、大変申し訳ない」
学長は存在感の薄い老人だった。昔は欧州のサッカー協会でそこそこの地位に居た人物らしいが、
現在は名誉職的な学長というポジションに甘んじ、悠々自適の生活を送っていると聞く。
そんな老人は、普段通りのしゃがれた声で、淡々と語り始めた。
学長「――当学校は、本日この時をもって、フランス共和国から日本国の所管となりました。
それに伴い、当学の経営陣及び教育方針が大きく変わる事となります。
えーと、その概要については……生徒会長、頼めるかな」
反町「……!?」
その内容は、講堂の雑然さや学長の暢気な語り口とは裏腹に、非常に重大なものだった。
反町がそのメッセージを受け取り狼狽える中、講堂からは一人の生徒が出てきた。
反町「(あれは……ピエール!)」
長身で長髪、女性的な柔和な顔立ちにしっかりと鍛えられた全身。
まさしくサッカー選手として模範とも言うべき少年――エル・シド・ピエールは、
学級委員長にして生徒会長という高い立場から、厳かに反町達全校生徒の前に立って。
ピエール「……生徒諸君。我々の自立性は、本日限りを持って終わりとなる。
明日からの我々は、機械となる。フランスサッカーを盛り立てる為の機械として、
一切の質問や疑問の余地のない、緻密で充実した教育が行われる。――楽しみにするように」
反町「な、なんだよ、それ……!?」
――彼は、これまでの学生生活の全てをひっくり返すような発言を放ってみせた。
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0ch BBS 2007-01-24