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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[520]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/26(木) 01:18:53 ID:???
ナポレオン「……おいソリマチ。何笑ってやがる」

FWとして近くに居たナポレオンは、反町が乾いた笑いを漏らすのを見逃さなかった。
彼は反町の襟首を掴みあげて不良さながらの剣幕を飛ばすも、反町の反応は変わらない。

反町「(……いや。ナポレオンはまだマシかな。俺と違って不良のリーダーだし、皆を纏め上げる力もありそうだ。
    日向程じゃないにしても、後はコイツに任せるのが一番良いんじゃないのか……?)」

反町の瞳からは、試合開始前にあった煌めきが失われていた。
諦観と従属の意志のみが残るその濁った瞳は、彼がかつて日向の支配する東邦学園に居た時のものと同じだった。

ボッシ「お、おい。ここまで来て喧嘩は止めろよ!」

ボッシが慌てて二人を止めに入るも、その成果は虚しい。
あまりに報われぬ展開に過去を想起し、恐怖という枷に囚われて動けない反町と、
あまりに報われぬ展開を受けても尚立ち上がろうとするも、肝心な立ち上がり方が分からず苛立つナポレオン。
彼らが互いにもがき苦しむ中、ボッシの言葉はあまりにも軽かった。


早苗「反町君……」

そんな様子を敵陣から見守る早苗は、反町に声をかけてあげたかった。
そして同時に、彼とクラスメートを裏切った自分には声をかける資格がない事に気づき項垂れた。
しかも彼女は知っている。反町の傍には自分なんかよりもずっと適任な女性が居るという事実を。



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