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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[526]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/29(日) 02:57:11 ID:???
反町は最初、自分にしかできない事など何もないと、途方に暮れる気持ちだった。
自分は日向のようには勿論、森崎や翼のようにも、ピエールのようにも、強い意思と力でチームメイトを従える事はできない。
また、幻想郷で出会い、共に戦う事となった少女――鈴仙のようにもなれないと思った。
鈴仙は確かに強い意思や力は無いが、その弱さを素直に認め、それを埋めてくれる多くの仲間達に恵まれている。
……しかし、自分には鈴仙程自分の弱さに対し素直になれないし、仲間の数も多くない。
――が、ここまで考えて気付いた。反町の仲間の数は、確かに鈴仙よりは多くないかもしれない。
だが――その絆の深さを考えれば?

反町「分かった……! 分かったよ、穣子さん。……俺には、君たちとの絆がある」

穣子「一樹君。そうだよ……! 一樹君が私達を信仰してくれるのと同じように、私達も一樹君を信仰している。
    互いに互いを信じる気持ちが高まれば、きっとどんな敵にだって勝てる筈だよ!」

反町「そうだ……。ごめん、ありがとう。穣子さん! 俺……いつも、君に助けられてばっかりだ」

穣子「そ、そそそっ! そんな事ないよ。一樹君だって、この前の文化祭で助けて貰ってたし。お互いさまだよ!」

反町が答えに気付くと、場の緊張はそれだけで緩和した。……いや、もしかしたら緊張していたのは自分のせいかもしれない。
とにかく、2点差を抱えながらも士気が戻ったフィールドで、反町と穣子は違いに抱き合いながら笑っていた。
表情には若干の若々しい照れが残るが、しかし同時に、次のキックオフに向けた決意が示されていた。

静葉「(これで良いの。これで、穣子が幸せになってくれるなら……)」

――そんな仲睦まじい姿を寂し気に見守るのは、静葉だった。
彼女もまた、次のキックオフにおける重要人物である事は間違いない。
しかし、自分だけには無い、それ以上の意味を反町と穣子が見出しつつある事は明白だった。
静葉は自らの頬に流れる涙の意味を無理やりに誤魔化して、静かにキックオフに備え……。


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0ch BBS 2007-01-24