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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[534]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/29(日) 09:42:12 ID:NrRK9Vh2

そして、そんな早苗の思惑は、穴自身である穣子本人は良く分かっていた。事実だと思っていた。
だけど、それで二人に迷惑をかける事を良しとしてはいけない。
穣子は全力を越えた全力で、静葉と反町のパスワークに動きを合わせていた。

早苗「(えっ!? 思ったよりも、動きが早い……!?)――あっ!?」

バシッ……ポン、コロコロ……。

そのため、早苗は完全にそのパスをカットする事はできなかった。
ボールは右サイドへと流れていき、一旦決まりかけた勝負は再び仕切り直しに――。

岬「……仕切り直しには、させないよ。早苗さんやピエールに代わって、僕がチェックメイトだ」

タッ。

反町「(ああ……! 岬にボールが渡る! これでピエールに即ボールをリターンされれば、もう終わりだ。
    このままボールをキープされ続けるか、それとも4点目を決められるか。
    ……俺達は、……俺達は、失敗した……!)」

早苗が零したボールには、既に岬が肉薄していた。彼にボールが渡ればどうなるかは、反町でなくとも簡単に分かる。
……完全なる敗北だ。自分達の絆の力は、結局、生徒会チームの強力な個人技に敵わなかったのだ。
反町の視界は真っ黒になりかけていた。だから、反町はこの時気付かなかった。



――うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……
      ダダダダダダダダダダ……。


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0ch BBS 2007-01-24