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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[535]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/05/29(日) 09:43:38 ID:NrRK9Vh2
岬「……?」

岬も最初、視界に映りながらも、それが何であるか理解できなかった。
けたけましい叫び声を上げながら、人間離れしたスピードでボールへと向かう金色の彗星。その正体は……。

アリス「――あああああああああっ! もう! またあんた達はこうやって私を除け者にして!
    さっきから黙って聞いてれば、なーにが三人だけの愛の絆よ!
    『悪いなアリス。このゲーム、3人用なんだ』って言われるのには慣れてるけどねぇ!! でも言わせて貰うわ!
    勝手にさぁ、そうやって自分達だけの世界に閉じこもるの、止めてくれないかしら!?
    ――だって、反町君さぁ! あんた、トモダチだって言ってくれたじゃない! お昼に私を誘ってくれたじゃない!
    そこまでしといてイザとなったら『俺達三人は〜』って、何様のつもりよ! 反町君の癖に、生意気よ!!」

岬「……!?(な、なんだ。こいつは……!? 怒っているのか……!?)」

アリス「べ、別に私もその三人の輪の中に加えて欲しいって訳じゃないけど! 私は孤高の魔法使いですけど!!
    でも! 孤高の魔法使いだって……折角ここで出来た、大事なトモダチを蔑ろにする訳には、……行かないのよぉ……!!」

岬「(今度は泣いてるし……。会った最初は僕と似たタイプのプレーヤーだと思ったのに。とんだ変人じゃないか……!)」

岬は全速力でボールへと突っ込むアリスさんを見て、一瞬ではあるがたじろいでしまった。
そしてその一瞬の隙を付き、アリスさんは岬に先んじてボールを奪い、そのまま全く減速せずにゴールへと突っ込もうとする。
岬はここで漸く我に帰った。

岬「い、いや……! 僕達は少し勘違いをしていたぞ! このチームの主戦力は反町や秋姉妹じゃない。
  この顔中涙と汗と鼻水でぐしゃぐしゃになった自称知性派魔法使い……アリス・マーガトロイドだったじゃないか!」

岬達は――後ついでに反町達レジスンタンスも――失念していた。このチームで最も総合力において優れた選手の存在を。
そして彼女が一度覚醒すると、手も付けられない『ファンタジスタ』としての才能を萌芽させつつある事を――。

アリス「うおおおおおおっ、来いよぉぉぉぉぉぉっ!!」

実況「アリス選手、ボールを奪取したや否や! キャラを崩壊させながらそのまま直線上にいる岬選手へと突っ込んだ〜〜!!」


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0ch BBS 2007-01-24