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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[791]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/06/16(木) 01:22:24 ID:9jEN4p+g
ピエール「――俺は全て話した。だから、と言う訳では無いが教えて欲しい。
……サナエ。君は何故、俺に手を貸してくれた? 君はソリマチの事が……」
最後にピエールは、そう早苗に問いかけた。
実は、ピエールは彼女が何故レジスタンスでは無く、自分達に加担してくれたのか。その真なる理由を知らなかった。
彼女はいつも通りの明るさを保ちながら、そうした当然の疑問を拒絶し続けていたからだ。
早苗「それは……幾らピエール君でも、言えません。だって、それだけ色々考えてたピエール君と違って、
私がここに参戦した理由なんて、めちゃくちゃショボイし、しかも色々とアレな理由だし」
それは今になっても同じだった。彼女は照れくさそうに指を合わせながら、もじもじと言葉を渋る。
そして、ピエールは少女の秘め事を根掘り葉掘り聞きたいようなタイプの男では無かったため、早苗の秘密は今も尚隠される。
早苗「さ! そんな詰まらない事よりも、私達のキックオフですよ!
色々語ってスッキリしたんだし、折角だから、この試合を最後まで楽しまないと!」
最後の最後まで自分の本心を隠し、明るく周囲を照らし続けようとする早苗の背中を見て、
ピエールはこうも付け足した。
ピエール「……仕方ないとは言え、彼女のような子を放っておくなんて。――ソリマチの奴は本当に罪な男だな」
その言葉の意図は、紳士的な観点からの感想なのか、あるいは反町に対する少年らしい嫉妬なのか。
――それを知るのはピエールの本心のみだった。
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0ch BBS 2007-01-24