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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[802]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/21(火) 00:32:48 ID:???
〜回想シーン終了〜

早苗「(……だけど、私は伝えられなかった。反町君への想いを伝える事が、迷惑だと思った。
    なぜって、私が彼を知った頃にはもう、彼の傍には二人の想い人が居たから……)」

反町「早苗、さん……?」

実況「……早苗選手、ドリブルで突破かと思いきや、周囲を取り囲む反町選手と秋姉妹の二人の間合いを意識し動かない。
   動的なプレーを好む彼女らしからぬ慎重さです!」

早苗「(……反町君が穣子さん達と支え合い、言いたい事をハッキリと言える少年に成長する姿を、
    私はその傍で無関係らしく見守る事しかして来なかった。
    何時の間にか、言いたい事を言えないのは反町君じゃなくて、私だけになっていた。
    ……私の中には、自分自身へのもどかしさと。それだけじゃない、穣子さん達への嫉妬の感情も生まれた。
    そしていつしか私は――反町君に勝つ事で、彼を乗り越えたいと思うようになっていた。
    滑稽な程に一方通行な関係。だけどそんな滑稽な想いが、私がここまでサッカーをやって来れた理由の一つでもある。
    だから……)私は、貴方に勝つ!」

タッ、バッ! シュンッ! ククッ、スパァッ!

反町「(……凄いキレのドリブルだ! こんな実力で、長野県大会レベルに埋もれていたのか!?
    ――俺には彼女がどうしてこんなに強いのかが、分からない……!)」

静葉「早苗お得意の五段ステップフェイント――『グレイソーマタージ』ね!
    『オータムスカイラブタックル』で行けば、奪えたかもしれないけれど……」

穣子「無理だったよ、お姉ちゃん。私達の体力もそろそろきつくなってるし……」

実況「早苗選手、試合も終盤にも関わらず、相変わらずの素晴らしい技巧派ドリブルで中盤を突破します!」


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0ch BBS 2007-01-24