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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[844]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/28(火) 01:03:55 ID:???
穣子「……一樹君。ごめんね。……でも、ありがとうね。――ずっと、ずっと一緒だよ」

反町「…………」

泣きじゃくる穣子を、反町は力強く抱きしめた。
言いたい事を言わずとも、自分にはこの全身がある。魂がある。それだけで充分だと思った。

反町「(俺は……穣子さんが好きだ。でも、静葉さん、アリスさん、フランスで得た仲間、早苗さん。
     これから出会う皆との絆も大事にしたい。だったら、俺は……それを繋ぎとめられるような。そんな存在になる。
     そして、穣子さんと幸せになれて、皆が笑いあえる、和を大切にできる。
     そんな素敵なチームを、この秋空(オータムスカイ)の下で作りたい。いや――作ってみせる。これが、俺の目標だ!)」


*****



ゴオオオオ……ッ。

早苗「(同じ場所に居れないのは残念だけど、私には分かりますよ、反町君。
    ……きっと、今の貴方は穣子さんだけじゃなく、多くの信頼できるトモダチに囲まれて、笑っているに決まってます)」

反町達よりも一足先に空高く飛んだ早苗もまた、彼らの幸せを心から願っていた。
そして――これから自分に待ち受ける暗雲に対しても、彼らのような明るい心を持ち続けたいと思った。

早苗「(私じゃあ魔理沙さんの代わりになれないのは分かってる。
    でも、私だって、貴女に追いつきたいと思い続けたライバルの一人です。だから、待っててくださいね……霊夢さん)」

やがて、反町達も空に向かって旅立つだろう。それは自分には感知できぬ、全く新しい物語。
だが、その物語の事を、これまでと同様に愛したい。早苗はそう思って、窓から見える秋空を見送った。


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0ch BBS 2007-01-24