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【熱戦烈戦】鈴仙奮闘記37【超激戦】


[828]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/09/19(月) 01:06:38 ID:???

ディアスは一方的に話しながらも、パスカルの制止には大人しく従う。
しかし、やはりと言うべきか……。ディアスは、佳歩達を少なからず良く思ってはいない。
その理由としては、先に彼自身で述べた部分が大きいだろうが……その根底にはやはり、
無二の親友であるパスカルを巡っての複雑な感情がある事が見てとれる。

パスカル「(……やれやれ。レイセンみたくどっちも大事に、ってのは俺には向いてないな)」

パスカルもそれを自覚し、肩を竦めて溜息を吐いている。
……当初の魅魔の憂慮通り、現時点において佳歩達の修行は完全に順風満帆とは言い難かった。

佳歩「(まだまだ慣れない新天地。中々開花しない才能。打ち解けられないチームメイト。
    ……こんな状況でも、鈴仙さまならきっと屈しない筈。だったら、私だって、頑張らなくっちゃ……!)」

だが、そんな中でも希望を見つめて前向きに決意する者もいる。
一度練習が再開されると、佳歩は子どもらしい感情を投げ捨て、視線でこう語った。

佳歩「(ディアスさん……! 私は、私達は負けません……! 私達は天才じゃないかもしれないけど。
    それでも頑張って食いしばって。そして切り開いてみせます。私達自身の道を……!)」

その影で新たなる月の賢者が舞台を整え、役者を揃えんと策謀を巡らせている事も知らずに。
――ここに、鈴仙の奮闘記に憧れた一人の少女による、人知れぬ奮闘記が今、始まった。


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