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【ウドンゲ春の】鈴仙奮闘記38【天パ祭り】


[525]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/01/04(水) 23:17:37 ID:+xZS7186
サンタマリア「――だとしても、俺達は勝つしかないだろ。それがプロ。俺達の生きる道なんだ……」

ジェトーリオ「あーあ。相変わらずマジメ君だねぇ。そう肩肘張って生きてても、良い事無いよ?」

サンタマリア「真面目なのは好き好んでやっているんだ。忠告には感謝するが、今更変える気はないな」

言いたい事を言い終えたのか、ジェトーリオはそれを最後に「んじゃ、おやすみ〜」と立ち去って行った。
夜の宿舎に取り残されたサンタマリアは、ふぅ、と溜息をついて追加の胃薬を服用してから。

サンタマリア「(浮わついている。……ジェトーリオだけじゃない。カルロスも、きっと……俺自身も。
         むしろ、だからこそ。『自然から生まれた者《ナトゥレーザ》』の力が必要なのかもしれないな……)」

未だ舞台上に姿さえ見せぬ助っ人達の影に希望を籠めて、ひと時の休息に入るのだった。


***


カルロス「アーサー。俺は君に問いたい。……何故あの時君は、俺を置いていったんだ……?」

その頃で、チームキャプテンのカルロスもまた、自室にて一人苦悩していた。
とは言え、彼の苦悩はサンタマリアやジェトーリオが会談していた際のそれとは違う、
現実から浮遊した、ロマンチストな悩みである故、他者からの共感は得られにくかった。

カルロス「でも。その理由ももうすぐに聞ける。だから、……待っていてくれよ、アーサー……!」

カルロスは『アーサーと同じくらいに』大切にしているサッカーボールを小脇に置いたまま、
年老いてなお想い人を待つ老人の如し呻き声を上げながら、決然と立ち上がる。

カルロス「――練習をしよう。試合の日は、アーサーに恥ずかしくないプレーをしなくてはいけないからな……」

彼が『アーサー』に賭ける想いは既に、呪いにも近い恋情の域へと達しつつあった。


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0ch BBS 2007-01-24