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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】


[169]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:58:35 ID:???
はい、心得ておりますとも。そう心の中で頷いて納得したのか、会話は一旦途切れる。

「あの……コメイジ、さま?」

――しかし、そんな時である。犯人を縛り上げて一息ついたその他の登場人物のうち一名が、
さとり様にしずしずと声をかけてきたのだ。

「あら。貴女は確か……」
「メイドのジャクリーンです。捕まったハンの同僚でした」

そういやそんな奴いたな。登場人物の多い推理小説だと、誰が誰だかわからなくなって、いっつも登場人物一覧に戻っちゃうんだよなぁ。
このメイドのジャクリーンなんて、殺害発生時の犯人のアリバイ証明くらいの仕事しかしてない気がするし。

「コメイジ・サトリさま。あなたのご活躍はかねがねお聞きしております。そして、本日の殺人事件においても、
 貴女は素晴らしい推理を見せて下さいました。そこで私は、貴女に依頼したい事があるのです」
「依頼……ですか」

なにィ。そういうパターンもあるのか。曲がりなりにも殺人事件が起きた場で次の依頼ってのも急展開過ぎる気がするけど。
しかし、生計を立てて行くためにも、あたい達はえり好みをする立場でない事も明白だ。
さとり様はそれを承知で、黙ってメイドのジャクリーンの話を聞く。

「ええ。私の依頼と言いますのも……実は、私の「本来の」依頼主から、内々に仰せつかったものなのです」
「はァ、本来の?」

さとり様は相変わらずいつものじとっとした無表情を貫いている中、あたいは思わず素っ頓狂な声を上げる。
なんだ、このメイド。下働きに出ている中で、本来の主人から内々に言伝があるだって?
ちょっと不自然にも程があるんじゃないか。でも、それは織り込み済みだったらしく、メイドは続ける。

「――実は、私がこの屋敷でメイドをしていたのも、潜入調査の一環だったのです。
 この屋敷の主人と、私の本来の依頼主とは対立関係にあり、その動向を見張るため。
 そして同時に、……コメイジ・サトリ。貴女の探偵としての力量を図る為でした」
「……へぇ」


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0ch BBS 2007-01-24