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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】


[258]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/25(日) 19:09:25 ID:???
>さとり様

あたいは真面目に、犯人が誰かを考える。
まず、外部犯はいない。【館の中には、今客室に居る以外の人間は存在しない】。これは間違いないだろう。
次に、内部犯もいない。【さとりが能力で読み取る限り、客室には矢車への害意を持つ者はいない】。
……で。こうなると外部にも内部にも犯人が居ないって話になるんだけど。

「……いんや。一人だけ除外されてない人物がいる」

そして、あたいは……真面目に考えた結果、一番あり得ない選択肢に辿り着かざるを得なかった。
さとり様は、そんなあたいの内心を読んでくれたように優しく頷き。

「そう。……とどのつまり、これは推理ではなく茶番だったのですよ。お燐」
「――そんな。でも、一体どうして……?!」

世の中には知らない方が良い真実も沢山あるって言うけれど。
まさか、この事件の真相がそうだったなんて。

「でも、おかしいですよ。さとり様! だって、あたいは知っている。心を読む能力なんて無くたって、分かってた!」

だから、思わずあたいは叫びそうになっていた。

「さとり様。貴女はあの男に同情していた。周囲の悪意に絶望し、心を閉ざしてしまった矢車くんに!
 いいや、同情だけじゃない。それは共感や親愛の情にも繋がっていたし。何だったら――!」
「お燐」

これ以上は言わせないと、さとり様は静かに制する。そしてその代わりに、彼女は厳かに自白した。


「私は――矢車君を殺しました。いえ。凌辱などではなく……殺したのです。
 【私はここで、矢車想という人間を殺した】のです」


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0ch BBS 2007-01-24