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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】


[262]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/25(日) 19:15:38 ID:???
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こいし「そうそう。イギリス行きが決まったお姉ちゃんは、周囲のサッカー関係者の心を読み取って、
    松山くんも一緒にイギリスでサッカー留学してるって事を知ったんだったよね。
    で、お燐に内緒でコッソリ会いに行った。なるほどなぁ。現実とリンクしてるんだねぇ、この小説」

さとり「……そうよ」

ページを捲る手を止めないまま、さとりはぶっきらぼうに肯定する。
そうだ。そうでなくてはいけない。そうでなければ、自分は矢車を殺す事など、出来ないのだから。
少なくとも、自分の内心で――しかもお燐にお膳立てして貰った上で殺せなければ、さとりは永遠にこの牢獄から抜け出せない。
さとりは、意を決したまま次のページを読み始めた。


*****


「やあ、さとりさん。俺の事を心配して来てくれただなんて、嬉しいな」
「……え?」

一人でコッソリ矢車に会いに行ったさとり様は面喰ったらしい。
ボロボロの衣服で隙あらば自分を罰しようとする矢車が……なんか、違う。目の前に居たのは、完璧を愛する、一人の好青年だった。

「ハハ、やっぱり驚くよなァ、前の俺を知ってるさとりさんじゃあ。
 でも俺、変わったんだ。あれから全日本に戻り、兄弟……松山と共にサッカーの腕を磨き、
 そして一度は嫌われた周囲の信頼を再び取り戻せた。それから、俺は気付いたんだ。
 サッカーとは調和……完璧なる調和が無ければ成り立たないってさ」
「そ、そうですか……」

昔みたいに、意味不明な彼をボロクソにけなしてやりたい。そして彼の不器用さと誠実さを理解してあげたい。
そう思っていたさとり様は、彼の成長を前に……少しの安心と、それ以上の寂しさを感じていた。


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0ch BBS 2007-01-24