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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[358]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/07/02(日) 18:19:24 ID:5lYnVivE
カルロス「……それに、少なくとも小さい頃の俺は、アルツールの養父を畏怖なんてしなかった。
だって、そうだろう? サッカーの上手い親友の家のお父さんは、もっとサッカーが上手かった。
それで、俺とアルツールが切磋琢磨して上手くなる姿を、いつもニコニコして眺めてくれていた。
たった、それだけの人だったんだ。だから、俺にとってこのノートは、あの伝説のストライカー・ジャイロの遺品ではなく。
俺とアルツールの、友情の証とその軌跡に過ぎないんだ。それに――ノートを見てごらん、レイセン?」
鈴仙「え、ええ……って、ううー、ん……」
そして、促されるがままにノートを開いてみた鈴仙は……先程は別ベクトルに驚いてしまう。
鈴仙「――この内容。ごくごくフツーの事しか書いてないじゃない。
基礎を怠るな。強い心を持て。サッカーは自由だ。
……てっきり、メチャクチャ凄い必殺シュートの打ち方でも書いてあるかと思ったのに」
カルロス「そうだろう? だけど、このノートには特別な熱意が。そして、息子への愛情があった。
だから俺はこのノートが好きだったんだ」
――それは。ごくごく平凡なサッカー好きの父親が、息子の為に書いた練習ノートと大差が無かった。
強いて違う所をあげるとしたら、それはまさにカルロスが言った通りで。
そのノートには、普通の父親の何倍も何十倍も、息子を愛している事が伝わっているという所だった。
カルロス「体調を崩しがちだった義父さんだったが、俺がフラメンゴに入ったばかりの時期は安定していた。
恐らくは、アーサーお姉ちゃんが相当に健康に気を配っていたからだろう。
アルツールを失い倒れた時も、『倒れるのがもう数年前でもおかしくなかった』と医師は言っていたからな。
だからこそ、俺は、アーサーお姉ちゃんにもう一度、あの時のように戻って欲しいと思う。
そしてお礼を言いたいと思う――できれば、アルツールと二人でだ。
『あなたのお蔭で、サッカーの道を迷わずに歩いていけました』、
『あなたのお蔭で、掛けがえの無い少年時代を過ごす事ができました』……ってな」
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0ch BBS 2007-01-24