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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[337]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:08:45 ID:???
後半戦ロスタイム。試合は残り数分。現実的な勝機は見えない。冷静なキーガンが下した結論は残酷なまでに的確だった。
自分達は頑張った。しかし、相手の方が更に一枚上手だった。
いつしかそんな雰囲気すら流れるパルメイラスの選手達を律したのは――。

サルサノ「……皆。諦めるな!!」

パルメイラスメンバー「「「「!!!!????」」」」

皆を律したのは、サルサノだった。
パルメイラスの補欠GKで、特に森崎の登場からは良い所が無く、
仕舞いにはチームから最後通牒を突きつけられて、当然その試合でも大量に失点をして。
そしていよいよ荷物を纏めてチームを去る事となった次の日。
――森崎の失踪によるGK不足により、急遽退団が撤回され正GKとなった、サルサノだった。

サルサノ「……俺はこの試合、ずっと考えていた。実力も才能も無い、ただ運だけが良かったというそれだけで、
      実力も才能もある皆と同じ舞台に立てた事について。
      そして、俺には無い物を全部持っていて、これからもっと凄い物を捕まえる予定だったモリサキが、
      良く分からないままに姿を消した事について」

キーガン「………」

周囲の反応を気にもせず、サルサノは続ける。自分の鬱屈とした感情に任せるままに。

サルサノ「世の中、結局は運なんだ。持って生まれた運が優れたヤツだけが、
      華やかな栄光を浴びて、自分の夢を叶えるんだ。……退団予定の前日、俺はそう考えていた。
      だけど、森崎が不運に遭って、俺が幸運にも退団を免れ大舞台に立つ事になってから、
      その考え方は間違っているんだと……俺は、この試合を通して気付いたんだ」



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0ch BBS 2007-01-24