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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】
[377]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/08/06(日) 13:55:37 ID:???
新田「(姉御……やっぱり、あの鈴仙ってヤツに因縁が。俺も、一度会って話してみたいな……)」
彼女達の様子を見守る者は幾らか居た。
サンパウロに派遣された新田はチームに来て以来ずっと、妖夢の事を一方的に慕っており、
彼女の技術の高さだけでなく、心の弱さの一端にも触れる機会があった。
だからこそ、彼はこの場を最も悲痛な想いで見ていたし――より一層、鈴仙への興味を深めていた。
コーチ「(……鈴仙。彼女――魂魄妖夢こそ、君がこのブラジルの地にて越えねばならぬ試練。
君と共に歩む道を自ら切り捨て、覇道を歩むあの娘を。君は救う事が出来るのか?
救うに足るだけの力と正義を、君は示す事が出来るのか? それを……この私に見せてくれ)」
鈴仙を見守るのは、ブラジルに来て以来鈴仙を見守り続けた老コーチだった。
自堕落な老人と化したかつての名選手は、鈴仙の心に打たれて、過去の光を取り戻した。
彼は見てみたかった。鈴仙が、自分の時と同じようにあの少女の心をも動かし得るのかを。
コーチ「ゴホッ、ゴホゴホッ! ガボッ! ゲェーーーホッ! ゴホッ。
――ふ、フホホ……。ワシも、もう時間はないでの。早く見せとくれよ、鈴仙。
あの娘を救うだけじゃない。その後……お主がサッカーで、世界を平和にしてみせる日を、な」
赤黒い血に塗れた両手を拭いながら。
彼は、自らの希望を託した少女の未来に想いを馳せる事にした。
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0ch BBS 2007-01-24