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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[422]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/08(日) 01:22:13 ID:???
***

パチュリー「(……友人同士になれるかもしれない。案外そうも思ったのだけどね)」

――感傷的な回想を一旦止めて、パチュリーは眼前に迫る脅威に目を瞠る。

シニョーリ「それそれそれーっ!」

シュンッ、クルンッ、タッ!

試合は既に始まっていた。パルマは早速攻撃の軸であるシニョーリにボールを回し、
彼の圧倒的な個人技を頼りにして、フィオレンティーナに攻勢を仕掛ける。

パチュリー「――ッ!」

ズザアアアアアアアアッ、シュンッ、パシッ!

シニョーリ「へへっ、ちょろいぜ!」

その個人技は、幻想郷でも三指に入る実力者と呼ばれたパチュリーを持ってしても、止められない。
圧倒的な個の力が、彼女を、彼女の率いるチームを蹂躙しようとしていた。

パチュリー「(これがパルマの……いや、『ハイパーカンピオーネ』計画の理想とする、圧倒的な”個”のサッカー!
        もしも神子達が、このシニョーリ級の選手を他にも揃えていたとしたならば。
        相当厄介な相手になりそうね……)」

集団戦術への造詣が深く、このチームでそれを実践に移し、ここまで勝ち進んで来たパチュリーにとって、
そうした戦術を無意味にするまでの圧倒的な力は、憎らしさを越えて、清々しく美しいとさえ映った。

パチュリー「(……妖夢。そして慧音もまた、この”個”の力に惹かれたのならば、その気持ちも分からないでもないわね……)」

パチュリーの脳裏に、再び過去の思い出がよぎる。”個”か”集団”か。その結論を巡って論議した日の事を――。


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0ch BBS 2007-01-24