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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[471]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/15(日) 20:42:12 ID:???
クッ……グルンッ! ――ガシイイイイイッ!

慧音「!?」

パチュリーはここで、ベクトルを静から動へと一気に傾ける。
空中で急回転し、左脚を大きく伸ばして流星のように一薙ぎすると、慧音に僅かながらに先んじて。
見事に……ボールを、捉えてみせた。

パチュリー「賢者とは賢き者。智恵の光によって暗闇を照らし、自ら希望を定義し、弱者に示すべき者。
       ……私の希望は何か、ですって。上白沢慧音? その質問は前提が間違っているわね。何故なら――」

慧音「(な、なんて空中での制動力……いや、それだけではない。知識や理論だけでは、
    こうしたプレー、思いつきこそすれでも実行できない!)」

慧音は動揺する。パチュリーは、これまで自分が思い込んで来た対立軸――集団対個人――の存在自体を、
そもそも揺るがそうとしている。そう気付いた、いや気付けたからこそ、彼女は改めて震える。

慧音「……貴女は。単なる集団戦術のコーチではない。集団戦術を究めつつ、司令塔としての視野を広げ、
    それに足りるだけの個人技も磨いて来た。自分が活躍する為ではなく、チームを勝利に導く為の……!」

――その反応を以て、今回の勝負は決まっていた。慧音は少しずつ押し負けている。
パチュリーは最後に淡々と、慧音に対して傲慢に言い放った。

パチュリー「何にも無い場所から希望を見出すこと。それこそが賢者が凡人に対して行うべき使命。
        つまりは、私こそが希望そのもの――それが、あんたの質問への答えよ」

スパーーーーンッ!

実況「……ぱ、パチュリー選手。この土壇場で信じられない競り合い強さを見せました。
   そして――後半戦40分にして、フィオレンティーナ、絶好の攻撃チャンスに入ります……!!」


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0ch BBS 2007-01-24