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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[472]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/15(日) 20:43:58 ID:???
――そこから先の展開は、簡単に語るのみで足りた。
個人技でボールを奪取したパチュリーは次に、司令塔としての技術を遺憾なく発揮。
相手の守備陣の穴を看破し切った上での的確な指示により、チームはギリギリで勝ち越し点を得る事に成功する。
無論、そこからパルマもシニョーリを軸に徹底抗戦の構えを見せるが――。
パチュリーが鍛えた集団戦術を前に、圧倒的な個は足止めを食らわせられる。

シニョーリ「ちっくしょー。このままじゃヨームに負けちまう! 最後にこれでも食らえッ!」

タッ、ギュンッ、グルンッ……!

とはいえ、後半ロスタイムにはシニョーリもこれを単身突破し、
圧倒的な威力のシュート――『アクセルスピンシュート』と呼ばれ、これまで数十得点をもぎ取って来た――を放つも。

――ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ……!!
   ……バギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ……!

それは、ごくわずかに遅かった。彼がボールを蹴れたのは、しびれを切らした審判がホイッスルを鳴らした、
ほんの極コンマ数秒後の事だったからだ。ボールは当然の如くにゴールネットへと吸い込まれるが、
……試合後のゴールは、当然ながら得点にカウントされない。

実況「試合、終了〜〜〜!! フィオレンティーナ、パルマを下しました……!
   そして、何という事でしょう! 下馬評を大きく覆し、大会前まで弱小チームだったフィオレンティーナが、
   今大会で優勝の栄冠を獲得しました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

ワァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァアァァァッ!

――賢者はこの時、初めて無表情を崩し、薄く笑みを漏らす。
その唇は小さく、「私の勝ちね」と動いているように見えた。



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0ch BBS 2007-01-24