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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[473]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/15(日) 20:48:50 ID:???
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青娥(観客席)「そ、そんなー。パチュリーさんの能力値が、私の測定よりも一回りも高くなってるなんて……」

神子(観客席)「彼女は我々の諜報を警戒していた。出来る事なら、この試合で本気を出したくなかっただろう。
         だからこそ、上白沢慧音の活躍は充分だったと言えるさ」

青娥(観客席)「ですけど……太子様は良いんですの? このままじゃ慧音さん、『プロジェクト・カウンターハクレイ』に
          戻ってしまいます。太子様は彼女を第二の魂魄妖夢にしたかったのでは?」

神子(観客席)「良いさ。我々にとって、幻想郷にいる既存選手の獲得は、あくまで保険にしか過ぎない。
          魂魄妖夢の代わりにシニョーリが居たように。彼女の代わりにもまた、充分なアテはある」

この試合の結果を見ていた『ハイパーカンピオーネ』計画の中枢――豊聡耳神子と霍青娥は、
今回の試合にある程度の落胆は見せつつも、想定の範囲内然とした様子で冷静に会話を続ける。
人間中心主義を掲げ、自分を中心とした人間による幻想郷、ひいては日本の支配を目標とする彼女らにとって、
幻想郷の半妖を喪失したロスは大きくない。

青娥(観客席)「……確かにそうですわね。半人半妖の彼女でなければ取れないような、
         貴重なデータが取れたと、カスティリオーネ博士も仰ってましたし。
         お蔭で、想定よりも早く進められそうですわ。私の主導するヒドラ・プロジェクトも。
         そして――」

神子(観客席)「私が、『アルシオン』の座に就く事にも、少しは近くなったという事か」

青娥(観客席)「ご名答。……さあさ、そろそろ行きましょ。イタリアの首脳陣が待っていますわ」

――現に、彼女は今回の敗戦を糧に、新たな計画を進めようとしていた。
第三極であり、今や人里の統治に興味を示さぬ八雲紫からも、
彼女への警戒と対策で手一杯な神綺や魅魔達からも大きく敵視されなかった彼女達は、
まるで進行を悟らせぬ悪性の腫瘍の如く、少しずつ、その存在感を増していく。


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0ch BBS 2007-01-24