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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[496]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/17(火) 01:04:00 ID:jjq+ybng
「やめたいのなら、貴女が守ればよかった。それが出来ない貴女は、結局自分が一番大切なだけなんだ」

ビュンッ! 空を切る音と共に、赤色の果実が飛んだ。その果実はなんだかてゐにそっくりだった。

鈴仙「……違う。私は皆と一緒……。皆と、一緒に……!」

「――皆と一緒? 笑わせないでよ。貴女は結局、自分が主人公であるという幻想に酔いたいだけ。
 大切な皆は、貴女を引き立ててくれてるから、大切なんでしょう?」

ヒュンッ、バシャッ。バケツの水が零れる音がした。パチュリーの身体が半分になったからだった。

鈴仙「私はそんな事、思ってなんか……!」

「嘘。そんなキレイ事なんて誰でも言える。まあ、あんたみたいな卑怯者、こっちから願い下げだけど」

ビュンッ、グシャグシャッ。刀は一度切られた筈の寅丸星の上半身を四等分にした。
血と肉が、攪拌されて広がって。いつの間にか世界はモノクロから赤と黒に変色していた。
グロテスクな光景を前に、鈴仙は泣く事はおろか、吐く事すらも許されない。

鈴仙「……なんで。なんでそんな事言うの。貴女だって……貴女だって、道を違えこそすれど、私の……!」

「違うッ!」

キンッ! 刀は初めて、鈴仙の方を向いた。明確な殺意の籠った一刀は、鈴仙に反撃を許さない。


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