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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[511]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/18(水) 01:12:22 ID:???
新田「翼さんみたいな天才でも無い俺如きが、こんな表現をするのも変だけど。
    鈴仙さんのプレーは、今の姉御のプレーとは正反対だ。
    姉御は抜き身の刃みたいに常に鋭く、冷たいサッカーをするけれど、
    鈴仙さんのサッカーは、普段は鈍い感じだけど、ここぞという時の熱量が凄い。
    ――だから、気になった。姉御と鈴仙さん。二人は具体的にどこが違うんだ?
    どっちのサッカーが、果たして強いんだ? ……ってさ」

純粋に新田は知りたかった。今の妖夢と鈴仙との間を隔てる物は一体何で、
一体どうすれば、正反対な二人の力を理解する事ができるのかを。

鈴仙「どこが違うのか、か。私だって分からないよ。いや、感覚では分かるかもだけど。
    言葉じゃ表せない。だからそれよりも、私に見せてほしいな。
    貴方が今の妖夢らしい、と思っているサッカーを。
    ……貴方の目から見える妖夢を見る事で、私は、自分の弱さを知り。そして妖夢の強さを知りたい」

鈴仙は教えてほしかった。何の先入観を持たないままに今の妖夢を、そして鈴仙を見て来た者にとって、
自分はどう映るのか。自分と妖夢とは一体何が違うのか。一体どうすれば、再び同じ道を歩む事が出来るのかを。

新田「……ボールは沢山持っています。今の時間なら人も少ないから、迷惑をかける事も邪魔される事も無い。
    だから、――存分にやりましょう。そして、教えて下さいよ。あんたのサッカーってヤツを……!」

鈴仙「貴方は素直だけど、同時に凄く野心が強いのね。全ての物をありのままに受け止めて、
    全ての物を自分の力にしようとしてる。でも、そんな貴方と特訓できる事はこっちにとっても幸いだわ。
    ――私は貴方を通して、迷いなく、自分自身を見つめ直したい……!」

――ホテルで出会った時から、二人にとってこの展開は予定調和だった。
かつての友との戦いを前に、自分を見失いつつあった鈴仙は新田の純粋さと貪欲さを求めており、
更なる高みを目指す為にも、信頼できる師と、そのかつての友人を深く知りたい新田は鈴仙のひた向きさを求めていた。

二人は狡猾ながら誠実に、明日への希望と野望を求めて特訓を重ねる。そして、その結果――。


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0ch BBS 2007-01-24